2005年11月09日

MicrosoftのLive広告は成功するか?

 「ハーイ、ママ。来週の金曜午後に家に帰るのでメールしました。外で食事しない? このメッセージの右に表示されている広告からレストランを選んで教えてね」

 キーワードマーケティングの王者Googleは、Gmailユーザーのメールに表示される広告がクリックされているかどうかについて口を閉ざしたままだ。だが先日、ライバルのMicrosoftが「Windows Live」と「Office Live」を投入し、Googleとの戦いは次なるステージへと進められた。

 11月1日に発表されたMicrosoftの新たなWebサービスでは、デスクトップ製品の機能の一部が無料で提供される代わりに、電子メール、インスタントメッセージング(IM)、コラボレーションツール内に広告が表示される。

 マーケティング業者は、ビジネスの場が広がることを歓迎しつつも、こうした広告がペイするかどうかは確信が持てずにいる。

 「MicrosoftはGoogleの専門領域で戦いを挑んでいる」と語るのは、検索エンジン/ブログマーケティング専門のインタラクティブマーケティング企業、Fortune Interactiveのアンディー・ビールCEO。「Googleと異なるビジネス手法で争おうとするのではなく、真っ向対決を挑むMicrosoftの動きは興味深い」――つまり、ソフトウェア販売によるライセンス収入を得てきたMicrosoftが、Googleにならって広告収入でまかなう広告サポート型のサービスにシフトしたという意味だ。

 先の四半期決算報告のカンファレンスコールで、Microsoftのクリストファー・リデルCFO(最高財務責任者)はMSNのペイ・パー・クリックの業績に失望の意を表明した。

 「検索広告の売り上げは予想を下回った」とリデル氏は述べた。売り上げの大半は、Webポータルが得意とするディスプレイ広告によるものだった。

 Microsoftは10月、新たなペイ・パー・クリック広告プラットフォーム「adCenter」のテストを米国で開始した。キーワードと、ユーザー登録情報に基づくターゲットを組み合わせる手法で広告効果とMSNの売り上げを引き上げたい考えだ。

 「当社は引き続きadCenterに取り組んでいき、いずれ成果が出ると期待している」(リデル氏)

 一方、MSNに対するマーケティング業者の評価はリデル氏より高いようだ。

 検索エンジンマーケティング企業iProspectのフレデリック・マーキニCEOは、「(MSNに期待される)可能性を考えれば、(これまでの業績は)残念な結果かもしれない」。インフラへの投資によって、今後MSNの広告売り上げは軌道に乗るだろうと同氏は見ている。

 ただしMicrosoftは検索シェアで大きく後れを取っており、それは検索広告のインベントリーに限界があることを意味している。

 インターネット利用関連の調査会社Nielsen/NetRatingsによれば、2005年9月における全検索のシェアはGoogleが45.1%、Yahoo!が23.3%であったのに対し、MSNは11.7%であった。

 MSNは競合から検索シェアを奪うことに努めながらも、Liveで新たな領域を広げようとしている。

 iProspectのマーキニ氏は、Windows Live とOffice Liveを「敵地の争奪、(そして)コンテキスト広告インベントリーの驚くべき拡大」と表現した。またこうした製品は、デスクトップを「買って所有するもの」から「広告閲覧と引き換えに使用するもの」に再定義する方向に向かわせるとも話している。

「大手オンラインプロバイダーとの提携を通じて得られる広告インベントリーもほぼ限界で、広告主は既にYahoo!やGoogleと取引を交わしている」(マーキニ氏)

 同氏はこの新たな領域が、広告主とエンドユーザーの両方に受け入れられると確信している。既に電子メールに表示されるバナー広告やコンテキスト広告になじみのあるユーザーなら、これらがほかのアプリケーションに表示されても違和感を感じないだろう。

 「これはまったく新しい、未踏の広告インベントリーだ」と話すマーキニ氏は、この広告インベントリーはMicrosoft特有のものになるだろうと言い添えた。

 検索エンジンマーケティングキャンペーンを管理するアプリケーションプロバイダー、Efficient Frontierのエレン・シミノフCEOは、広告主はMSN Searchと同じ感覚でOffice LiveとWindows Liveの広告展開を図り、その成果を判断するだろうと予測している。

 MicrosoftはadCenterプラットフォームを通じて広告スペースを販売・配信することから、価格付けもMSN Searchと同じ広告主による競売で決定されることになる可能性が高い。

 「競売市場である限り、ディスプレイ広告か検索広告かは関係ない。重要なのは広告の表示手法ではなく、価格の方だ」(シモノフ氏)

 さらにシミノフ氏によれば、同氏と仕事上関係のあるマーケティング業者の大半は、Microsoftの革新的な製品を非常に喜んでいるという。Windows LiveとOffice Liveの広告スペースはまだ販売開始されていないが、マーケティング業者はまずこれをペイ・パー・クリック検索広告とは別のメディアとして扱うだろうという。

 マーキニ氏は、adCenterでは1カ所で広告発注できるため、Live広告を試しに利用することが容易だと語っている。

 「彼らは既にMSN Searchの広告を利用しているであろうから、同社のほかのネットワーク広告に露出することにさほどの努力は要さないはずだ」(同氏)

 「広告主の広告発注は今日と同様に、効果に応じて行われていくだろう」とマーキニ氏。もしMicrosoftが検索広告とLiveを別々に販売しない場合、マーケティング業者はLive広告の成果を費用対効果(ROI)の増減によって測ることになる。

 シミノフ氏は、ほとんどのWeb広告は非常に明確なROI計測に基づいているため、マーケティング業者は慎重にテストするだろうとしている。検索広告がこれほどまでに成功しているのは、特定の製品やカテゴリーを検索した人々が有機的な検索結果に含まれる広告に関心を示す可能性が高いからだが、Windows LiveとOffice Liveの場合はこれに当てはまらない、と同氏。

 Fortune Interactiveのビール氏は、Googleのコンテキスト広告の業績は検索広告ほど良くないと指摘する。その成果は検索者が探しているカテゴリーや検索者が購入周期のどの段階にいるかで異なるものの、「マーケティング業者と広告主は総じて、コンテキスト広告を検討する前に検索エンジンに打つ広告のROIを最大化しようと努めるものだ」(同氏)

 ビール氏はさらに、Windows LiveとOffice Liveには、その「有用性」と、「ユーザーの広告への注意を引き過ぎる」という2つの問題が生じる可能性を指摘している。

 「(ソフトウェアの)無料バージョンと有料バージョンを試したところ、有料バージョンは金を支払っただけの価値を得られる。私なら、目障りな広告でまかなわれる無料バージョンよりも、β版に留まらない実質的なソリューションを選ぶだろう」(同氏)

 また広告を詰め込み過ぎる影響は、広告サポート型のアプリケーションから検索結果にまで及ぶ危険性があるという。

 「『なんだ、いつも電子メールに入っている迷惑な広告と同じものか。それなら見なくていい』とコンシューマーを警戒させるリスクを負いかねない」(ビール氏)

 Microsoftは、MSN全域から得たユーザーデータをadCenterに収集してターゲット広告を絞り込む考えだが、マーキニ氏はOffice LiveとWindows Liveによってさらに高度な絞り込みが可能になるとしている。

 「MSNはユーザーのバックグラウンド、地域、所得についてより多くの情報を入手できるようにするだろう。なぜならこれらは彼らが利用するために登録するツールなのだから」(マーキニ氏)
posted by インターネット広告 at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | インターネット広告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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